野球人の3割しか知らない:アウトを“4つ”取らないと点数が取られることがある!?

こんにちは、メルマウです。

今回は、以前の投稿で「アピールプレイ」について書きました続きでございます。
以前の記事→野球人の3割しか知らない:「バレなきゃOK」なルールがある!

アピールプレイのレアケース、「第3アウトの置き換え」について書きたくなった(?)ので記していきます!


まず大前提として、アウトを3つ取れば攻守交代となりますが、ホームインした走者がいた時はその3つ目のアウトがどういった形で取られるかによって扱いが違います。

規則5.08(a)【例外】
第3アウトが次のような場合には、そのアウトにいたるプレイ中に、走者(1,2にあたる場合は全走者、3にあたる場合は後位の走者)が本塁に進んでも、得点は記録されない。
(1)打者走者が一塁に触れる前にアウトにされたとき。(5.09a、6.03a参照)
(2)走者がフォースアウトされたとき。(5.09b6参照)
(3)前位の走者が塁に触れ損ねてアウトにされたとき。(5.09c1・2、同d参照)

つまり、バッターが一塁でアウトになることを含むフォースアウトの場合以外で、ランナーがベースを踏み忘れなければ得点は認められる、というわけです。

なので、ベースの踏み忘れ以外のアピールプレイの最中にホームインすれば、得点は認められることになります。

そしてそれに対しては、
同【注1】
第3アウトがフォースアウト以外のアウトで、そのプレイ中に他の走者が本塁に達した場合、審判員は、その走者にアピールプレイが残っているか否かに関係なく、本塁到達の方が第3アウトより早かったか否かを明示しなければならない。
となっており、審判員は「今点入ったよ~」って言わないといけないことになっております。
もちろん、3つ目のアウトよりも先にホームインしていることが条件です(いわゆる「タイムプレイ)。

では、アウトを4つ取る=第3アウトの置き換えとは何なのか。
これについては、アピールプレイの項に記載してあります。

5.09(c)
(前略)また、第3アウトがアピールプレイによって成立した後でも、守備側チームは、このアウトよりもほかに有利なアピールプレイがあれば、その有利となるアピールアウトを選んで、先の第3アウトと置き換えることができる。

つまり、アピールプレイで3つ目のアウトを取ったものの、「あ、やっぱり今のなしで、こっちのランナーをアウトにしてください」ということができるということです。

なぜ、そんなことをする必要があるのか。
例えばこんなパターンではどうでしょう。

1アウト、ランナー二塁三塁からセンター方向にライナーが飛び、ランナーは2人とも「ヒットだ!」と思い走り出す。がしかし、センターがダイビングキャッチ!
既に三塁ランナーは本塁を、二塁ランナーは三塁を踏んでいて、センターは二塁ベースにいたセカンドに転送してアピールプレイで二塁ランナーがアウト。
ダブルプレイでチェンジ!……?

この場合、確かにアウトは3つ取っています。
しかしながら、3つ目にアピールプレイで取ったアウトよりも先に、三塁ランナーは本塁を踏んでいます

「え!でもタッチアップしてないからダメじゃん!」……違います。
以前の投稿に書いたように、飛球の際に捕球よりも早くベースを離れてしまっても、それはアピールプレイをしないとアウトにならない=バレなきゃOKなんです。

ですので、この場合も進塁=ホームインは認められます。
そこで行うべきなのが、もう1回アウトを取り直す=第3アウトの置き換えです。

二塁でアウトを取った後に、三塁にボールを送って「三塁ランナーの離塁が早かった」旨をアピールすれば、3つ目のアウトは三塁ランナーのアウトに置き換えられ、得点もなかったことになります。

ただし、1つ条件があります。
特に3つ目のアウトについてアピールをする際の規定です。
5.09(c)
(前略)イニングの表または裏が終わった時のアピールは、守備側チームのプレーヤーが競技場を去るまでに行わなければならない。
(中略)“守備側チームのプレーヤーが競技場を去る”とあるのは、投手および内野手が、ベンチまたはクラブハウスに向かうために、フェア地域を離れることを意味する。

以上の通り、投手と内野手の5人のうち誰かが内野内にいておく必要があります。
もし自分のチームがこの状況になり、選手たちが気づいていなさそうだったら、
「待て待て待て、その場に留まれぇ~ぃ!点が取られるぞぉ!!」って言ってあげましょう(外野手が残っていても意味がありません)。

こんなことが起きるのは、
・ランナーが複数人いる
・飛球なのにリタッチしない(ある意味走塁ミス)→3つ目のアウトがアピールプレイ
・3つ目のアウトよりも先にホームイン(俊足)→タイムプレイ
・野手がもう1つのアピールを忘れる
という、ただでさえ遭遇率の低いことが同時に起きないと起こり得ない状況ですが、実際に高校野球などでは事例があるので、いざというときに備えて頭に入れておきましょう。


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