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野球人の3割しか知らない:インフィールドフライ

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こんにちは、メルマウです。 今回は、ややこしい野球のルールの代表格である、「インフィールドフライ」について記していきます。 まずは該当する規則の確認から。 (※野球規則には、条文の他に語彙説明のような「定義」と呼ばれる説明文があります。) 定義40「インフィールドフライ」 0アウトまたは1アウトで、走者が一・二塁、一・二・三塁にあるとき、打者が打った飛球(ライナーおよびバントを企てて飛球となったものを除く)で、内野手が普通の守備行為をすれば、捕球できるものをいう。この場合、投手、捕手および内野手が、内野で前記の飛球に対して守備した時は、内野手と同様に扱う。 (中後述) 【注】インフィールドフライは、審判員が宣告して、初めて効力を発する。 まずインフィールドフライの条件としては、0か1アウトで一・二塁か満塁の4パターンの時に、野手が容易に取れるようなフライ(バントによるものやライナーを除く)が内野に上がったら、 打者は自動的にアウトになる というものです。 ただし、これは あくまでも審判員が「インフィールドフライ」を宣告 (右手人差し指で天を指す) して初めてその効力を発するので、どんなに条件が整っているように見えても審判員が宣告しなければインフィールドフライにはならず、逆に整っていないように見えても審判員が宣告すればインフィールドフライとなります。 規則と記載順が異なりますが、この判断については 【原注】審判員はインフィールドフライの規則を適用するにあたって、内野手が普通の守備行為をすれば捕球できるかどうかを基準とすべきであって、たとえば、芝生やベースラインなどを勝手に境界線として設定するべきでない。たとえ、飛球が外野手によって処理されても、それは内野手によって捕球されるはずだったと審判員が判断すればとすべきである。 つまり、飛球をインフィールドフライとするか否かについての判断は、 審判員に一任されていて、明文化された基準はない ということです。 ちなみに選手たちが混乱しないよう、審判員が複数人いる場合は 誰か一人の審判員が宣告をしたら、他の審判員も同調する ことが望ましいとされています。 メジャーリーグのある試合では、この点が原因でトラブルとなった例があります。 映像をみると、この試合の審判は6人制で、ショート(遊

野球人の3割しか知らない:キャッチャーは防具を付けなくてもよい!?

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こんにちは、メルマウです。 今回は、「捕手の防具」に関するルールについて記していきます。 まず、該当する部分のルールの確認から。 3.08(d) 捕手が投球を受けるときは、捕手の防護用のヘルメットおよびフェイスマスクを着用しなければならない。 記載の通り、捕手に着用が義務付けられているのは、 「首から上」を守るためのヘルメットとマスク です。なので、 ルール上はチェストプロテクター(胴体の防具)やレガース(足の防具)は付けなくても試合には出場できます 。 ただ、単純に危ないので((-_-;))付けている選手がほとんどです。 プロ野球では、イニング間で捕手が準備できていないときの準備投球のために、ヘルメットとマスクだけ着用した人が投球を受けているような光景をたまに見かけます。 また、アマチュア野球団体の中には、安全面を考慮しそれらを含めたすべての防具を着用するよう義務付けているところが多いです。 その安全性についても、アマチュア野球には規定があります。 今年度から正式に運用されることとなったのですが、その安全性を保証する 「SGマーク」 付きであることが必須条件となっています。 また全軟連では、軟式野球の道具としての安全性を保証する 「JSBBマーク」 付きであることが条件です。 さらにマスクに関しては、喉も保護できる形状であることが必須です。最近は販売時点で一体型になっているものが多いですが、別途「スロートガード」と呼ばれる商品を購入し取り付けることもできます。 アマチュアにおけるこのルールは、審判のマスクにも適用されます。 我々審判員も、各所属団体の規定に合う用具を使用しなくてはいけません。 読了後ポチっとお願いします!☞

野球人の3割しか知らない:ハーフスイングの判定

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こんにちは、メルマウです。 いや~、退屈ですね。外出自粛というのは。 そのうえこの悪天候。気分も沈んでしまいます。 さて、そんな今回はあまり知られていない 野球のルールや審判のあれこれについて 記していきます。シリーズ化していきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。 初回は 「ハーフスイングの判定」 について。 ご存じの通り、打者が投球を打とうとして途中で止めたような場合に、それが振っている(スイング)か否かを審判員が判定するものです。 まず最初に、該当する部分についてルールブックを見てみましょう。 8.02(c)【原注2】 ハーフスイングの際、球審がストライクと宣告しなかったときだけ、監督または捕手は、振ったか否かについて、塁審のアドバイスを受けるよう球審に要請することができる。球審は、このような要請があれば、塁審にその裁定を一任しなければならない。 (中略・以下後述) ルール上その判定基準は明記されていません。審判員が「振った」と判断すればスイングですし、「振っていない」と判断すればスイングではありません。 つまり、 「審判の判定が100%」 です。その判断は 完全に審判に一任 されて います。「バットがホームベースより前に出たら」などとよく言われていますが、あれは間違えです。したがって、時々ネット上に見られる 横からの画像を見て振っているいないを判断しようというのは、正しい論点ではありません。 無論これはバントの際にバットを引いたか否かについても同様ということになります。 また上記規則に記載の通り、その判定について塁審に聞くように要請することができるのは、 (守備側の)監督か捕手のみ です。したがって、球審がスイングと判定した際に 打者を含む攻撃側のチームが「振っていないと思うから塁審に聞いて」と言うことはできません 。 そしてこのルールにはもう一つのキーポイントがあります。 (中略) ハーフスイングについて、監督または捕手が前記の要項を行ってもボールインプレイであり、塁審がストライクの裁定に変更する場合があるから、打者、走者、野手を問わず、状況の変化に対応できるよう常に注意していなければならない。 (以下略) 例えば、 フルカウントで塁審により判定がスイングに変更されると、「四球」ではなく「三振」

審判講習会の在り方 レベル別に内容の工夫を

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こんにちは、メルマウです。 今回は審判講習会の在り方について記していきたいと思います。 公認審判員であれば誰もが一度は受講する審判講習会。BFJ公認の審判員資格を得るためにはまず受講しなくてはいけません。 ただ、それはあくまでも公認審判員のための講習会です。今回考えたいのは、初心者向けの、いわゆる「お父さん審判」「学生審判」のための講習会について考えたいと思います。 学童野球や学生野球では、お互いに持ちまわりで審判をするため、毎シーズンが始まる前などに 親御さん向け・学生向けの審判講習会を実施 しているところが多くあります。 その場合の受講者は、審判のいろはの「い」も分からない、 初心者が多い であろうと思います。なので、 そうした講習会で我々公認審判員に求められるレベルの講習を実施しても、おそらく8割以上の内容が右から左に流れていく でしょう。 ですから、そういった方々には まず「審判への興味」や「予備知識」を持ってもらうことから始めていく必要がある と思います。そのうえで、最初はとにかく 基本・基本・基本 。 そのためには、昨日投稿した インターネット上の動画などを活用したり 、実際に 試合を 審判に注目して 観てもらったり するなど、いきなり講習参加としないなども1つの手ではないかと思います。 またルールやフォーメーションに関しても、難解なルールやイリーガルなフォーメーションのすべてを詰め込もうとしたって、 吸収してくれるのはごくわずか でしょう。 ですから、僕ら公認審判員が「特に変なことはなかったな」と思えるレベルの試合で起こりうる、 発生確率の高いことだけ抑えてもらう ようにしたらいいと思います。 「審判員」は、一朝一夕では成り得ません。まずは「きっかけ」を作るところから始めていく必要があります。 読了後ポチっとお願いします!☞

試合ができないので家で勉強しよう!動画を活用しよう!

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こんにちは、メルマウです。 東京都とその周辺の県で、今週末の外出自粛要請が出ました。 これは野球界にも影響を与え、今週末は試合ができそうにありません。 そしてプロ野球選手の中にも、新型コロナウイルスへの感染が確認されたそうです。 そこで今回は、自宅でインターネットを使って審判の勉強ができる、動画サイトYoutube上の動画・チャンネルをひとまとめにしてみました。 映像を活用して、今後の試合に備えた引き出しを増やしましょう! ・「お父さんのためのかんたん審判講座」全7本 エスエスケイ野球公式 https://www.youtube.com/playlist?list=PLWNxSEAAc4ZY1PpSoHseoomQ2TW5m1Vhu ・UMPIRE CHANNEL 伊勢審判本舗さんのチャンネルです。 https://www.youtube.com/channel/UC5CmICBf8UcRGMkjT0G4U1w/videos ・お父さん審判 とても分かりやすいルール解説動画をアップされています。 https://www.youtube.com/user/84XY ・アイランドリーグ審判部 四国アイランドリーグ審判部さんのチャンネルです。2人制審判のやり方やルール改正についての解説などもあります。 https://www.youtube.com/channel/UCGONjou_5zE6JVu2iutuR1Q ・Made The Cut アメリカメジャーリーグで起こったトラブルや珍プレーなどの実際の映像がアップされています。 https://www.youtube.com/channel/UCWQXiB9DidR74rOPeupt8nQ/videos ・MLB Ejection Tracker 同じくメジャーリーグで、退場者が出た事例だけをまとめたチャンネルです。 https://www.youtube.com/channel/UCBD5MG66KxAZ3yM4La66AGw/videos 上記以外にも、インターネット上にある様々な動画・画像を見るだけでも勉強になりますね。 他にも参考になるサイトなどありましたら教えてください! 読了後ポチっとお願いします!☞ にほんブログ村

「お父さん審判」改革は野球人口減少の歯止めとなりうるか

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こんにちは、メルマウです。 今回は、「お父さん審判」の在り方と試合運営について、思うところを書いていきます。 僕自身は、選手たちの「お父さん」が審判として活躍されるような組織には所属しておりませんが、子供のころ所属していたチームではコーチがチームメイトのお父さんで、その人たちが公式戦でも審判を務めてくださっていました。 しかし現状は、お子さんが卒業すると離れてしまう親御さんが多く、そうなるとまたチームや大会の運営をお手伝いしてくれる方を見つけなおすことになってしまうそうです。 そうなると引き継ぐべきところもうやむやになってしまうでしょう。 でもこれは、学童野球などの現場のみならず、 日本のアマチュア野球界には共通してある問題 なのではないでしょうか。 〇そもそも論:「連盟」でありながら組織化されていない 子供たちの心身の発達のためにスポーツをやらせたい、では野球をやらせてみよう。 そう思っただけなのに、いざお子さんを野球チームに入れさせたら、お手伝いを強制される、そんなつもりじゃないのに!ってなることはあるでしょう。 ただこれは大人にも言えることで、全軟連の各支部では所属しているチームから審判を出し合って試合を実施しているところも多いです。 これだといわゆる学生の練習試合と一緒で、せっかくの試合なのに審判としてグラウンドに立たなくてはいけない控え選手と同じ、 犠牲の気分 です。 つまり、 「連盟」といいながらも実際は自主運営に近い形になっている わけです。 これが高校野球以上のカテゴリーの野球とは一線を画すところではないでしょうか。 〇「審判や運営委員はボランティア」には限界がある 親御さんにとってその負担が多すぎます。ただでさえ子供たちに道具を買い与え、月謝を支払っているのに、そのうえお手伝いまで…。練習の際はお茶当番をし、試合の際は送迎に審判と、よほど熱心でないと続かないようなことが強制されています。 これらはどれも 1つの役職レベル です。これらを すべてボランティアで賄おうというのは限界がある と思います。 〇「プロフェッショナル」の意識を ですから、 これらの役割を「プロフェッショナル」化できないものか と思います。ある程度の保証がないと、誰にも利益がもたらされません。 協力してくれる方に

「試合中に審判(?)がどんどん増えていく」あの現象に名前を付けたい

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こんにちは、メルマウです。 今回は、最近目についてしまうとある現象について、思うところを書いていきたいと思います。 端的に言うと、試合中に審判がどんどん増えていく、あの現象です。 塁審を務めると、塁上でのアウト・セーフの判定をする機会が多くあります。 ご存じのように、野球のグラウンドには、一塁ベースと三塁ベースの横に走塁コーチがいます。 彼らの役割は、試合の状況に応じて仲間の走者に指示を与えることである はずです。 しかしながら、試合中に彼らは別のことを始めます。 なんといきなり審判に成りすまそうとする わけです。 しかもなぜか判定は毎回「セーフ」 。(間違えてばかりです…) そして試合が進むにつれ、 さらに成りすまし審判が増えていきます 。彼らは ベンチで座りながら、はるか遠い各塁で起こるプレーを見て大声で判定を始めます 。よくもまあそんな位置からプレーを見ていられるなと思いますが、これもたいていミスジャッジばかりです。 正しい位置と角度で見ていないから ですね。 スポーツ経験者からすると、単純に 「なんでそんな無駄なことするんだろうな」 と思います。そんな声を出しジェスチャーをするくらいなら、一瞬でも多くボールに気を配り、1個でも先の塁を落とし入れることを狙った方がいいと思います。 ある日、所属するチームの後輩に試合で一塁走塁コーチを任せていて、彼がそれをやっていました。試合後に「みっともないからやめな」と言ったところ、「やってました?」と 無意識であった ことを明かしたうえで、 「高校の時やれって教わっていたので」 と言いました。ビックリしました。いまだに頓珍漢なことを教える指導者もいるんだなと、がっかりです。 審判的目線ですが、判定をするのは我々審判員の役割であって、そんな無駄なことをしても何も変わらないし、他の人の役割を奪おうとする、きわめて卑劣な行為です。 それをやるなら、ぜひとも今後はユニフォームではなく審判服を着てグラウンドに立ってもらいたいです。 学生野球以下の「教育」の観点があるカテゴリーの野球では、こうした面をきちんと教えてあげるべきです。少年野球の頃にはそんなことはしなかったはずであるのに、なぜカテゴリーが上がるとやってしまうのでしょうか。 勝負事であるという意識から、欺くことを教えてしまうような大人が多

審判は減るものではなく増えるもの 「絶対に4人」ではない!

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こんにちは、メルマウです。 先週は3試合審判をする機会がありました。 そのうち2試合は社会人硬式のオープン戦を2人制で塁審、もう1試合は企業様主催の草野球リーグ(いわゆる私設リーグ)の決勝戦で、1人制でした。 いずれの試合からも多くの刺激を受けられる、充実した1週間でした。 さて、硬式野球の試合の2日目、相方とシートノックを眺めながら作戦会議をしていたところ、ビジターチームのスタッフさんらしき人から、「やることないんで審判やりましょうか」と話しかけられました。 そこで相方が、「2人制をやりたいので」という話をしたところ、 「そういうのがあるんですか!」 と言われました。 「審判の基本がすべて詰まっているのが2人制なんですよ」と続けたところ、 「へぇ、4人じゃないんですね!」 との反応が来ました。 確かに日本では、「野球の審判は4人」というのが一般的なのかもしれません。 ですが、ルール上は1人いればOKなわけで、その中でも2人制は審判の基本がすべて詰まっている、素晴らしいシステムです。 まだまだ浸透していないな、と感じる出来事でした。 ちなみに日曜日の1人制の試合では、開始前に 水撒き をしました。 まだ3月なのに…(笑) それでも途中から風が強くなってきて、完全に砂かぶり状態。この際にと思い、昨日は道具をまとめてお掃除しました。 選手同様、メンテナンスは欠かせません。 読了後ポチっとお願いします!☞ にほんブログ村

映像を活用する カメラを味方につけろ!

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こんにちは、メルマウです。 何回か目の投稿で、ビデオ判定をテーマにしました。 が、映像は必ずしも僕らと敵対するとは限りません。 最近、僕は試合の時にビデオカメラを持っていき、自分の審判姿を撮影するようにしています。そして自宅に帰ってから、その映像を観て1人で反省会をします。複数人で審判をやった際は 仲間と共有 もします。 カメラは1台しか持っていないし、試合中にカメラをいじる余裕はないので、1試合に1アングルからしか撮れませんが、 試合ごとに色々な反省点が見えてきます 。 例えば球審の時に横から撮れば、 キャッチャーとの距離やホーム周辺の動き方 が確認できます。正面から撮れば、 セットの形やゾーンの確認 ができます。 ダイヤモンド全体が写るように撮れば、 フォーメーションや走り出し方など周りとの連携を確認 することができます。 試合中に見えていなかった部分が明らかになるかもしれません。 そして映像は時間が表示されるので、試合時間はもちろんのこと、 イニング間やタイム中の時間も後々から計る ことができます。 もし万が一トラブルが起きてしまった場合でも、その原因を探ることができます。 「そんな毎回毎回撮っていたらデータがパンクする!」と思われるかもしれませんが、そんなときなネットを活用します。 YouTubeにアップ すれば、ネット上に保管しネット環境があるところからいつでも見られるし、 URLをコピーすれば仲間にも見てもらえます 。 不特定多数に見られたくないときは、「非公開」に設定しておけば自分だけ閲覧できる状態になります。また仲間うちだけで閲覧するには「限定公開」に設定します。 情報発信と同様、文明を積極的に利用し活用していくことが大切です。 読了後ポチっとお願いします!☞ にほんブログ村

「お父さん審判」「選手審判」の意義

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こんにちは、メルマウです。 今回は「お父さん審判」「選手審判」について思うところを記していきたいと思います。 僕は時々、とあるカテゴリーの非公式戦で球審をやらせていただくことがあります。 その時に審判は自分一人しかおらず、ほかの塁審は生徒さんがやることがあります。 残念ながら 彼らは普段審判のことは学習していない子がほとんど であるので、実際に試合で僕らと同じレベルのアンパイアリングを期待することはできません。 彼らは飛球を2人で追ってしまうこともありますし、だからと言ってカバーリングが分かるわけではありません。ダブルジャッジなんて頻繁です。 試合において審判がトラブルを起こすことは避けなくてはいけません。 ですが、だからと言って「審判をやるならちゃんと勉強をしておけ」なんてその場で言ったって無理があります。 そこで必要になってくるのが、僕ら経験者(“本物の”審判?)による補助です。 どんなに各審判員(担当者)のアンパイアリング力が不足していたとしても、クルーとしてのアンパイアリング力は最低限保たなくてはいけません。 そうなると、普段よりも気を配る部分が増えますが、僕らにとってはこれもある種の訓練なのかもしれません。 想像したくもないですが、もし実際の試合現場で、突如フォーメーションが崩れてしまったら?飛球の判定が難しく、2人で打球を追うようなことが起きてしまったら? それに備えた練習として、こういった現場でもクルーとしてのアンパイアリング力を保つことを意識した審判ができるといいですね。 読了後ポチっとお願いします!☞ にほんブログ村

審判は「こだわり」と「自己投資」の世界

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こんにちは、メルマウです。 今回は僕のこだわりと審判的価値観について記していこうと思います。 プロスポーツ選手が道具にこだわったりスポンサーがついたりするように、僕ら審判にも道具へのこだわりはあります。またプロ野球の審判はSSKさんがオフィシャルサプライヤーとなっています。 実際僕も、スラックスやシャツ、シューズといった必須用具や、インジケーターを含む球審道具については、インターネットを中心に情報収集をし、多少値が張ってもいいものを使うようにしています。本来であれば色々なメーカーさんのを使ってみたいのですが、そこまでの財力はないので、とりあえずはプロ野球の方々が使用されているものと同じものを使用しています。その部分の投資は惜しまないのが鉄則な気がします。 正直、「買いミスったな~」なんてこともあるのですが、その時はまた別の物を購入します。そのうち、自分に合うものが見つかるはずです。 話は変わって、何回か前の投稿にも書きましたが、僕ら審判員は試合における決定権を適切に運用するため、常に勉強することを怠ってはいけません。 そのために「自己投資」をすることも必須になってきます。ただこれはあくまでもお金の話だけではなくて、 時間を投資すること も含まれると思います。 審判は習うより…どころか、 「習いながら慣れろ」 であると思います。実戦経験を積むために積極的に試合に出向くことも大切です。 実は「審判のやり方」なる情報は、書籍でもインターネットでもたくさんあるのです。ある程度基礎を理解できると、様々な情報源ごとに多少違いがあるのもわかってくると思います。 どれが正解なんてことはありません。 その中から自分なりのノウハウを見出せるといいですね。 読了後ポチっとお願いします!☞

「特別規則」を考える より的確な試合運営のために

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こんにちは、メルマウです。 今回は、野球で「特別規則」を制定する意義について考えていきたいと思います。 野球のルールの大元は、言うまでもなく 「公認野球規則」 です。 ですが、各カテゴリーに応じた 「特別規則」 なるものが制定されています。 また、大会ごとに制定される「大会特別規則」や、試合ごとに制定される「試合規定」「グラウンドルール」もあります。 大元の「公認野球規則」も含め、これらのルールはみな 野球をより面白くするために作られ、制定されている ものです。特に「特別規則」は、 そのカテゴリーで野球を楽しむ人が的確に試合を実施できるよう 、考えられています。 僕はメインの審判活動が大人の軟式野球なのですが、そこでは 純粋に“野球を楽しみたい”という人が多くいます 。中には最近行われたルール改正について、全く知らない人もいます。そういった方々に、「選手全員ユニフォームを統一させないと試合を認めない」「イニング中はキャッチボール禁止」といったり、「準備投球中のキャッチャーのマスク」や「ランナーコーチのヘルメット」を強制したりというのは、必要ないかなと思います。 ですが、「公式戦」という名の付く試合においては、当然ながら定められていることは守っていただかなくてはいけませんし、 審判員も厳格にそれを適用しなくてはなりません 。 全軟連でも、今年からイニング中のファールゾーンでのキャッチボールについては規定ができたようです。でも日本の野球場では、ファールゾーンにブルペンがあることが多く、アマチュア野球ではこのあたりの適用で連盟ごとに異なるので、審判員は注意しなくてはなりません。 高校野球や社会人野球は、大会における規則をインターネットで公開されておりますので、ぜひご覧になってみてください。 今回はこのあたりにして、今後ともルール関係については書いていきたいと思います。 読了後ポチっとお願いします!☞ にほんブログ村

審判に個性は必要か 接客業にヒントあり?

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こんにちは、メルマウです。 今回は、審判の個性について記していきたいと思います。 物事を行うには、何事も基本があります。これは審判も同様です。 野球の審判法にも基本があり、それは審判を始める人であれば誰でも通る道です。 プロ野球の試合を見ていると、彼らには様々な個性があることに気づくでしょう。 ストライクコール1つにしても、人によって異なります。 彼らは あくまでも基本をマスターした上で、審判長や技術指導員のお墨付きで あのようなジェスチャーを披露しています。 では、われわれアマチュア審判についてはどうでしょうか。 アマチュア審判の多くは、何かしらの組織や団体に所属しており、そこでは それぞれのやり方がある と思います。インターネットでそのマニュアルを公開している組織もあります。基本的にはそのやり方に準ずる形で審判をしている方がほどんどです。 しかし最近、都市対抗野球や社会人野球日本選手権を見ると、自分なりのやり方で審判法を披露している方も見受けられます。僕は このことと接客業に大きな共通点がある ように思えます。 僕は昨年9月までの約1年間、とある飲食チェーンでアルバイトをしておりました。 チェーンの接客業の多くはマニュアルがあり、多くの従業員はそれに基づいて業務にあたっています。 それでも無難な営業はできると思います。ですが、多くのメディアに取り上げられるような話題になるお店や、常に行列が絶えないようなお店には、 何かしらの面白い、独特なポイント=個性がある ように思えます。 もちろん、それは絶対に必要であるわけではありません。 野球人気が右肩下がりな今こそ、 アマチュア野球にももっと色々なポイントがあっていいと思います。審判もそのうちのワンポイントです。 もちろん、それも 絶対に必要であるわけではありません。 でも、たまたま野球を観る機会を得た人が、たまたま審判に目が行き、そこから野球に興味を持ってくれる、そのきっかけになればうれしいですね。 読了後ポチっとお願いします!☞ にほんブログ村

現役審判員が審判について考えてみた:審判の未来編 「審判は要らない」は本当か

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こんにちは、メルマウです。 今回は審判のこれからについて記していきます。 今、様々なスポーツでいわゆる 「ビデオ判定」の導入 が進んでいます。 日本プロ野球の 「リクエスト」 、アメリカメジャーリーグやその他各スポーツの 「challenge」 、そしてサッカーの 「VAR」 などがその代表例です。 これらのシステムでは、高度なカメラで撮られた鮮明な映像を用いて、いとも簡単に審判の判定を検証しようとします。 テニスやバレーボールにいたっては、もはやコンピューターによる自動判定です(ホークアイシステム)。 そうした現場を見ると、一部の人は 「もうスポーツに審判は要らない」 と考えるでしょう。理解はできなくもありません。将来的に人間の仕事の半数はAIやロボットで賄えるなんて言われますが、それにスポーツの審判も含まれると言う人もいます。 はたして、それは真実でしょうか。 仮に試合における審判をすべてコンピューターにするとして、常に的確なジャッジが下されるのでしょうか。 アメリカでは、MLBと業務提携しているAtlantic Leageでは、投球判定をコンピューターに任せるシステムを試験運用したところ、トラブルが絶えなかったそうです。 もし試合中にコンピューターに何らかのトラブルが発生したら?何者かにハッキングされて片方に有利な判定が続くようになったら? そうなったら、もう試合どころではなくなってしまいますね。 特に野球は、「審判が判断すべし」というルールがたくさんありますし、かつてないプレーが発生することだってあります。時々「ベースとボールとユニフォームにセンサーを付ければいい」なんていう人がいますが、そんなことしたらもう人のスポーツではなくなってしまいますね。「パ〇プロ実写版」になってしまいます。 僕は、判定の検証システムは、 現状が理想形 なのではないかと思います。 あくまでも、スポーツをするのは人間なのです。それは審判も含まれます。 試合中の判定を映像などを使って検証することが求められるのは、時代の流れで、ある意味仕方がないことなのかなと思います。ですが、そのすべてを機械に任せるというのは違うでしょう。野球はただでさえ試合時間が長くその短縮が課題であるのに、すべてのプレーをいちいちコンピューターに通していたら、もう何日

現役審判員が審判について考えてみた:現状編

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こんにちは、メルマウです。 昨日は約1か月ぶりにグラウンドに立つことができました! いや~野球場の空気って最高ですね!(笑) さて、今回は 審判の現状 について考えてみたいと思います。 僕自身がアマチュアの審判なので、アマチュアにおける現状です。 だいぶ前のことですが、こんな記事を拝見いたしました。 高校野球の存続脅かす「審判」という時限爆弾 (東洋経済ONLINE) 近い将来に開催危機も?高校野球審判が深刻な人手不足 (exciteニュース) 岐阜)球児支える審判 なり手不足で進む高齢化 (朝日新聞デジタル) 上記はいずれも、高校野球の審判員不足に関する記事です。 記載の通り、今 若手の不足による審判の高齢化 が問題になっています。 実際僕の周りも年上ばかり。70歳、いや80歳になっても現役で続けてらっしゃる方も少なくありません。 またインターネットで 「審判員募集」 と検索すると、多くの野球連盟・団体の記事がヒットします。まるでアルバイトの求人情報なみです。 僕が思うに、これは 野球人気の上昇と映像技術の向上が大きく関係している と思います。 プロ野球をはじめとしたスポーツ中継を観たい時、今は地上波のみならずBS・CS放送やインターネット配信まで、様々なメディアで鮮明な映像を観ることができます。 少しでも審判の怪しげな判定があろうものなら、すぐさま様々な角度から撮影されたスロー映像が流れます。まるで人のミスを粗探しし晒そうとしているかのように…。 さらにそれに輪をかけるのが、 世の中の情報化 です。 今は大手メディアのみならず、一般人誰もが全世界に向けて様々な情報を発信できるようになり、情報が広がりやすくました。 そのことが悪いように働いてしまっていると思います。審判に対してネガティブな感情を持っている多くの人が、「ミスばっかり、レベルが低い」という見方をしてしまって、根拠となるような映像や画像を用いてそれを拡散しようとしているのだろうと思います。 今や審判員を敵視するようなファンも少なくありません。 このことが悪循環を起こしていて、審判に目を向けそれを志そうとする人が減ってしまい、現場ではそれを補うためにベテラン審判員たちの「経験」に頼るしかなくなっているのです。 そして最も残念であるのが、