野球人の3割しか知らない:野球にも「つづく…」がある

こんにちは、メルマウです。

野球の試合を観戦していて、もしくは審判をやっていて、「拮抗したいい試合だったなぁ」とか、「長い試合だったなぁ」ってこと、ありますよね(圧)。
日本のプロ野球公式戦の最長記録は6時間26分(1992年9月11日:阪神タイガースvsヤクルトスワローズ戦:延長15回)で、アメリカでの最長記録は1981年のマイナーリーグで行われた、ポータケット・レッドソックス(ボストン・レッドソックス傘下)VSロチェスター・レッドウイングス(ボルティモア・オリオールズ傘下)の延長33回8時間25分だそうです。

現在日本のプロ野球では、アグリーメント(内規)によって延長12回まで実施し決着が付かなかった場合は引き分けとすることになっています。
様々な国際大会でも、また国内のアマチュア野球の各団体でもこのあたりの内規を決めているところは多く、特にアマチュア野球ではトーナメントの場合(勝ち負けを決着させなければいけない)に点数を入りやすくする、「タイブレーク」と呼ばれる方式を導入しているところが多いです。

しかし、本来は純粋に試合をして決着をつけたいもの。
野球のルールは「続きはまた後日!」ということもできるようになっています。
このように扱われる試合のことを「サスペンデッドゲーム」と呼びます。

規則7.02 サスペンデッドゲーム
(a)試合が、次の理由のどれかによって打ち切られた場合、後日これを完了することを条件としたサスペンデッドゲームとなる。
(以下略)

サスペンデッドゲームとなる条件としては、
・法律による娯楽制限
・規約の時間制限
・天候が悪化しコールドゲームにはなったものの、表(ビジター)がリードしている状態で裏(ホーム)の攻撃ができていないとき
・同点で打ち切りとなった場合
以上は正式試合(9回なら5回終了で成立、など)の場合に適用され、
・照明などグラウンドの機械類の故障
・暗いのに照明が使えないとき
の2つは何回であっても適用できます。

また試合の再開の仕方としては、あくまでも続きをやるので、打ち切られたときの状態とまったく同じ状況(ランナーの有無やカウント、出場している選手など)から始めます。

1つの試合の中なので、試合に出場して交代し一度退いた選手は、再開後に出場することはできません。ただし、再開後から新たに選手をベンチ入りすること、もしくは既に退いた選手に代わって新たに選手を登録しベンチ入りさせることは可能で、そういった選手は後日再開からの“途中参加”ができることになっています。

リーグ戦方式を取っていることなどにより、同じカードでの対戦が違う日にも組まれている場合は、その別の試合を行う前にサスペンデッドゲームを完了させなければいけないことになっています。

前述のように日本の各野球団体では、試合の“終わらせ方”について色々な内規を定めているので、国内ではこの事例は滅多に見られません。

ただし、全日本軟式野球連盟には、公式大会の規則として「特別継続試合」なるものが定められており、内容はサスペンデッドゲームとほぼ同じものとなっています。試合の続きは「翌日の第一試合に先立って」、つまりどの試合よりも優先して行われます。

近年は「野球の試合は長い」として試合時間の短縮が求められている中で、日本国内の大きな大会でもタイブレークが導入されたり、国際大会の中にも同様の手段で試合を続行する規定を設けたりするケースが増えておりますので、この規則はますます活躍しなくなっていってしまうと思われます。
特にアマチュア野球はグラウンドを借りる時間や日にちに期限があるので、サスペンデッドゲームを行うのは難しいです。


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