野球人の3割しか知らない:プロ野球審判員は個人事業主

こんにちは、メルマウです。

今回は、講談社さんが運営するサイト「現代ビジネス」に投稿されたある記事を読みまして、それ関連で記していきたいと思います。


話題の記事はこちら↓
プロ野球審判員を襲う「コロナ余波」の現実…感染症対策に報酬減少も

記事は、試合が無くなってしまった現役プロ野球審判員への取材に基づき、その懐事情についてや、普段審判員たちがどんなトレーニングに取り組んでいるのかなど、現状の辛さについて記されています。

そこで、あまり知られていないプロ野球審判員の境遇について、まとめていきます。
(※僕が一次ソースではありません。参考・引用サイトを下部に記しておきます)


〇プロ野球審判員になるには

一昔前までは、引退したプロ野球選手(特に早期引退)が審判に転身したり、人員に空きができたら新聞などの広告欄で一般公募したりしていました。(公募もないのに自ら売り込みをしたレアケースもあります)

ですが、2013年に「NPBアンパイアスクール」が開講されたからというもの、毎年年末のオフシーズンにそれを実施する形となり、現在の採用ルートはその1本のみとなっています。

オンラインで応募を受け付け、参加できるのは毎年60人ほど。プロを目指す若い人たちはもちろん、自らのスキルアップのために勉強したいという方も歓迎してくださいます。
昨年末に行われた最近の募集要項はこちら(NPB公式サイト)
http://npb.jp/umpireschool/2019/entry.html

〇見事採用されたら

そして見事に採用=NPBと契約ということになったら、いきなりNPB審判員となるわけではありません。
NPBの審判員との契約形態には3段階あり、まずは国内にある2つの独立リーグに派遣されます。これが「研修審判員」と呼ばれるもので、派遣先の独立リーグでプロ審判としてのノウハウを教わります。
元々独立リーグで審判をやっていた方も、契約形態を変えてそのままそこで審判をするケースがほとんどです。

〇「みやざきフェニックス・リーグ」が実践テストの場

そして、毎年秋に宮崎県で行われる「みやざきフェニックス・リーグ」において、NPBと契約をしている若手の審判員が派遣され、審判技術委員たちの査定を受けます。そして研修審判員は1段階上の「育成審判員」を、育成審判員はその上の「審判員(本契約)を目指します。
契約は1年ごとで、10月末までに次年度の更新が行われるそうです。
育成審判員はファーム(2軍戦)を、審判員は1軍戦を担当することができるようになります。

〇まさに「プロ」の厳しい世界

つまり、アンパイアスクールで最初の試験を通過してから1軍の舞台に立つまでには、いくつかの段階を踏まなくてはいけないということです。
2019年シーズン終了時点で、アンパイアスクール卒業生で1軍戦に出場された審判員は1名しかいません。2014年からの契約で2019年にデビューですから、実に丸5年かかっています。しかも彼が担当したのは塁審のみ。1軍戦で球審を務めるまでにはさらなる努力と時間が必要です。

万が一、試合中にトラブルを起こしてしまったら…。
しばらく1軍戦の試合に配置してもらえなかったり、残念ながら10月末にNPBから契約更新の連絡が来なかったりすることになります。
もしそうなると、1試合あたりの出場手当が減少したり、翌年から無職になったりするわけで、選手と同じく審判員も厳しいプロの世界の洗礼を受けてしまうことになるのです。

〇「クビにならない」は大間違い

インターネットでプロ野球の審判員を批判するような人の多くが主張するのが、
「どんなにミスをしてもクビにならない」
「選手は生活がかかってるのに、審判は気を抜いている」
などというのがありますが、全て間違えです。
むしろ永久雇用の保証は一切なく、また懐事情も選手に比べれば恵まれていません。
それでも彼らは、プロ野球の一員として、プロの審判員として誇りを持ってグラウンドに立っていらっしゃいます。


僕ら野球ファンがプロ野球観戦を楽しめるのは、視界に入りながら意識されない、表でも裏方でもない、彼ら審判員の血のにじむような努力によって支えられているからに尽きます。


<以下参考サイト>
月給17万円から年俸1000万円も 過酷すぎるプロ野球「審判」の世界
5万人の大観衆でのジャッジを目指して。NPB審判への道。
メジャー審判は年俸5000万円も 日米の給料格差は大きいが…
年俸90万円でスタート NPB正審判員への過酷な道のり

NPBアンパイア・スクール7期生から研修審判員4名が誕生
審判員の新規契約について

<参考書籍>

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